2026年1月29日(木)、沖縄大学地域研究所主催による2025年度第6回沖縄大学地域研究公開講座を、オンライン(Zoom)にて開催しました。
本講座では、「『入っていないから関係ない』は通用するか? ―『加入を強制しない』自治会運営の法的課題―」をテーマに、自治会をはじめとする地域コミュニティの現状と課題について、法学の視点から検討を行いました。
はじめに、司会?報告を務めた眞田章午(沖縄大学 経法商学部 専任講師)より、本研究の概要とこれまでの研究活動について説明がありました。本研究は、自治会などの地縁組織体を対象に、組織運営の任意性や公共性、デジタル化と個人情報保護、地域資源管理の在り方を、行政法学?民法学の両面から整理?検討するものです。
報告①「地縁による団体の任意性と受益?負担の相剋 ―民法学から―」
(報告者:西脇秀一郎/愛媛大学 法文学部 准教授)
西脇准教授からは、民法学の立場から、自治会の法的性質や会費?寄付金をめぐる裁判例をもとに報告が行われました。
特に、自治会は法的には「任意団体」と位置づけられる一方で、地域生活においては事実上の公共性を担っている点に着目し、加入の自由と負担の公平性(いわゆるフリーライドの問題)との緊張関係が示されました。
また、近年の最高裁判決や高裁判決を踏まえ、自治会運営においては、構成員の思想?良心の自由への配慮が一層求められていることが指摘されました。
報告②「地縁組織体と公共性 ―行政法学から―」
(報告者:眞田章午/沖縄大学 経法商学部 専任講師)
続いて眞田講師からは、行政法学の観点から、自治会が果たしてきた公共的役割や、国?自治体との関係性について報告がありました。
自治会は私的団体でありながら、地域福祉や防災、行政協力といった分野で重要な役割を担ってきたこと、しかし近年は担い手不足や加入率の低下などにより、その持続可能性が大きな課題となっていることが説明されました。
あわせて、総務省による「地域コミュニティに関する研究会」の動向や、新たに創設された制度にも触れ、自治会を基点としつつ、多様な主体と連携する地域運営の可能性について言及がありました。